王騎士手帳

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ホルンについて思うこと【1】通る音と通らない音

ホルンを吹き始めて10年近くなるわけですが、始めたばかりの頃はともかくとして、ある程度吹けるようになってきてから今まで、ある共通した悩みをずっと持ち続けています。

 合奏などの録音を聴いたとき、突き抜けて聞こえて欲しい音が前に飛んで聞こえないことが、とても多いのです。手元では、ちょっと倍音多めなブラッシーな感じ、言うなればちょっと痛めにバリバリっとした音色を出しているつもりなのに、録音を聴くとどことなく輪郭のないぼやけた音。これは一体どうしたことか…といつも悩みます。

 しばらく、自分の音が突き抜けて聞こえないのは楽器のせいだと思ってました。以前使ってたのがホルトンのH180という楽器。ホルトンらしいベルの太さですが、よくある銀色のニッケルメッキの楽器ではなく、イエローブラスのラッカーの楽器でした。

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懐かしいな、この楽器

 その楽器は手元でバリバリ言わせるのも一苦労するくらいに丸い音の出る楽器で、アンサンブルや室内楽ではよく調和したものの合奏の中では主張のしにくいちょっと困った子でした。特に吹奏楽では、フォルテ以上のダイナミクスでブラッシーに吹くことを求められる場面ではかなりの苦労を強いられていました。

 社会人になってから楽器をパックスマンModel23に乗り換えたんですけど、この子がかなり万能で、吹いててとても楽しい楽器!甘い音も元気な音も出る(自分で吹いている感じでは)。だいぶお値段が張ってしまって、もう舞台からオケピに飛び込むくらいの気合でローンを組みましたね。ついこの前払い終わったけど。見た目も美しくて見とれてしまいます。

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Paxman Model23

 ただこの楽器、巻き方が結構特殊で、ロータリーの位置がすごく高く、楽器の厚さって言うんでしょうか、トリプルホルンからhigh F管を取り去ったような高さがあります。レバーの角度も結構急になっていて、持ちにくいんですよね。。

 閑話休題

 てなわけで、楽器を変えてからはだいぶ音の焦点は合う感じがしているんですけど、それでもやっぱり合奏の中で突き抜けて聞こえてこないんですよね。アンブシュアがいけないのか、アタックがゆるめなのがいけないのか(アタックきつくしてもバンっ!ってなっておしまいな気もしますけど)いろいろ試してみたいんですけどね。

 

 汚いって言われるのが怖い

 

 みなさんの中にももしかしたらそう思っていろいろ試せない人がいるかもしれません。通る音を、突き抜ける音を出したいと言いつつ、心の奥では荒れたところをあまり見せられないと思っているせいか音の角を立てるのを自然と怖がってるのでは、と思ってるのかなって。

 手元で汚く聞こえる音、すぐそばで聞くと荒れて聞こえる音も、ホールで出すと、またマイクが拾うと、かっこよく聞こえるものなのかもしれませんね。実際ベルから出た音はそのまま届くわけじゃないですし。

 音を飛ばすコツ、あったら教えてください。